くちなし
GARDENIA
おせち料理のきんとんの色付けに欠かせないスパイス
樹高1~3mの低木で、葉は長楕円形でツヤがあり、細長い花びらをもつ甘い香りの白い花をつけます。この花が散った後、10~11月頃についた果実が赤く熟してきたら摘み取り、乾燥させてスパイスとして使用します。
果実は乾燥させると殆ど香りをもたず、料理の風味を邪魔せずに黄色い色を付けることから、色素成分は食品工業的にも重宝されています。おせち料理の栗きんとんを鮮やかな黄色に仕上げることで知られていますが、ほかにもたくあんなどの色付けにも使われています。
科名:
アカネ科
主な産地:
中国、台湾、インドシナ半島、日本他
香りと味の特長:
乾燥した果実は殆ど香りをもたない
使い方のヒント
主要色素成分はサフランと同じ「クロシン」で着色成分は水溶性です。少量でも充分に効果を発揮しますが、油分が混ざると着色成分が広がりにくく、ムラが出てしまうため、必ず水か湯に浸してその溶液ごと使うことがポイントです。乾燥した果実は硬い表皮で覆われているので、そのまま料理に入れるのではなくて、お茶だしパックなどガーゼ状のものに包んで、すりこぎやめん棒などで軽く砕いてから水に浸すと、果実の中から着色成分が溶け出しやすく、料理を鮮やかな黄色に仕上げることができます。
さつまいもの甘煮の作り方
さつまいも(輪切り)1本は皮をむいて水にさらす。鍋にくちなしの実を粗く砕いてお茶パックに入れたものと、さつまいも、さつまいもがかぶる程度の水を入れて煮込み、砂糖と少量の塩で味を付ける。